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相谷さんのニコニコ放浪記

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2009-08-21

例の「白いクスリ事件」について・ふたたび

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 前回の続き。ここ一週間の間にとても重要なことが起きたので、再びこのテーマで書いてみる。


ニコニコ動画の運営側の反応

 前回の記事でクリプトン社は、削除依頼の理由をブログに公表した。それに対してニワンゴは次の記事を公表して、なんと動画を再upした*1

niconico

 簡単にまとめればこういうことである。

 ・「初音ミクを含むVocaloidのキャラクターの価値に傷をつけるから」という理由だけでは、動画を削除するに値する理由にならない

 ・どうしても動画を削除したかったら、自分で直接製作者に向けて、動画を削除するように依頼するか、「動画を削除するに足る理由」をクリプトン社が用意して、それを運営に見せるか、どちらかを選ぶ。

 ・動画製作者には「動画を削除するように依頼された」事を通知する。

 つまりニワンゴはクリプトン社に対して、「削除理由を出すなら、Vocaloidのキャラクター価値に頼らない『ある種の正当な理由』を用意しろ!」と言ってきた訳である。

 確かに「製品価値に傷が付くから」という理由だけでは「削除理由」としては弱い。「法的な根拠はない」という言い草は気に食わないが

 ただしニワンゴは同時に、「これで俺たちの『表現の自由』が守られた。クリプトンざまぁwwwwww」と言っている動画製作者やそれを見ている連中に対しても軽い脅しをかけている。ニワンゴはこの記事でこういう文章を書いている。

 このような状況を鑑みて、ユーザーさん御自身で動画を削除して頂くのが、円満な解決になるのではないかと考えています。

 つまりニワンゴは「『表現の自由』を謳歌した結果、高い賠償金を払わされたり、場合によっては『前科』がついても仕方ないね」と言っている。もっと具体的に言うと「自分が作った動画で人生を終わらせるようなトラブルが起きても、こっちは助けないよ」と言っている

 この辺が実に「ひろゆき*2」的だが、『自己責任』を突きつけるには、こういう一旦突き放したように見える言い方のほうがいいのかもしれない。


クリプトン社の反応

 さて、上にあるニコニコ動画の運営側のコメントを受けて、クリプトン社は関係各社を集めて協議を始めた。

no title

 しかしクリプトン社もこの記事のコメント欄の部分を読む限りこの手の動画を片っ端から削除依頼を出したり、ましてやニコニコから全てのVocaloid関連の動画を撤退させようとしたりはしないみたいだ*3

 果たしてクリプトン社は、この手の動画に対して何らかの「妥協点」および「削除基準」を見つけることができるだろうか。


公序良俗に反するVocaloid動画を「止める」のは誰か

 この件の動画についてはさっき書いたとおり、クリプトンは「よほどの事がない限り」これ以上この手の動画に対しては「文句を言わない」と思う。たぶんデットボールPに対して行なった「荒技」みたいなものはまずやらないだろう。もちろんニワンゴ側に関しては言わずもがな。

 ではこの手の動画を「止める」のは誰か。

 俺は多分、これから先はランキング動画」を作る人がその重責を担うのではないかと思っている。特に「週刊VOCALOIDランキング」(以下、「ぼからん」)を作っているしっぽたん氏は、間違いなく今回の騒動を『胃に穴が開く思いで』見ていたのではないかと思っている。

 今でもデットボールP並みの(あるいはそれ以上の)『卑猥なネタをVocaloidに歌わせている動画』は投稿されているが、それが表沙汰になっていないのは、しっぽたん氏が「ぼからん」で『除外判定』という防波堤*4を作っているからだ。*5 *6

 その『除外判定』がこれから先、『社会的な風刺ネタをVocaloidに歌わせている動画』にまで範囲を広げるかが問題になってくる。

 今まではその手の動画は「完全スルー」だったが、こうしてクリプトン社やニコニコ動画全体にまで問題が広がってしまった以上、今度この手の動画は『腫れ物を手で触るような』扱い方を強いられるわけである。これから先しっぽたん氏は、この手の動画に対してどういう判定を下すのだろうか


ところで……

 今回の騒動の元となった「白いクスリ」という動画は、8月18日に製作者の手で改めて削除された。その動画の説明文でこう書いている。

 この度は私の思慮を欠いた行動により、クリプトン社はじめニコニコ動画、YAMAHA社その他各方面に多大なご迷惑をお掛け致しましたことお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。最後にあらためて、この社会から薬物乱用が無くなることを祈念いたします。

 可哀相にとは思うが同情できない。一人の「おイタが過ぎる」行動が、一歩間違えればジャンルそのものを潰しかねない惨劇を生む可能性がある。

 ジャンルを潰されたくなかったらその手の動画を自重するか、その動画をできる限りアングラ方面へ追い込む努力をするか。

 動画を楽しむ我々は今、その選択に迫られている

*1:あえてここでは動画をupしない。YouTubeなどで検索したらその動画が出てくるだろうし、本編の動画自体作者が自ら削除した。

*2:今回のニワンゴの発言は、明らかにひろゆきの発言を元に作られている。なおひろゆきは、「白いクスリ」のMMD版(今回の削除依頼の元になった動画とは別物)を見てこういう発言をしたのだが、たぶんその「元になった動画」を見たあとでも同じような発言をしていたと思う。本人は「面白ければ削除しなくてもいいじゃん」という気持ちでそういう発言をしていたと思うが、おそらく「元になった動画」を見ても同じ気持ちを持っていたのではないだろうか。

*3:しかし訪問者のコメントや質問に対して、いちいちそれに答えるクリプトン社の真摯な姿勢は本当に涙ぐましいものを感じる。本当はクリプトン社も「ニコニコ」したいだろうに。

*4:いやマジでこれがなかったら、今頃ニコニコ動画でボカロ関連の動画が見れなくなる可能性があったからね。冗談抜きで

*5:その『除外判定』もメジャーレーベルのCDなどで曲が流通するようになったら、『除外』が外されるルールになっている。現にデットボールPの一部の『除外判定』の曲は、そのルールで『除外』が外されている。

*6:しかしまさかそのルールで、のぼり棒『除外』から外されるとは思わなかったよ

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