上の動画はirohaさんが作曲した『炉心融解』のYoutube版である。なぜニコニコ部なのに「ニコニコ動画」版ではなくて「YouTube版」を載せるのか。理由は後ほど。
8月30日、その『炉心融解』のニコニコ動画版(以下、本家)が、作曲者であるirohaさん自らの手でニコニコ動画から削除した。理由はこの動画に対する露骨なマイリスト工作に嫌気がさして削除したとの事。
なお削除したその日に、この動画のイラストを描いたなぎみそさんが作成した「動画を少し変えたバージョン」を改めてupした*1。
これにより『週刊VOCALOIDランキング』で、この動画が「動画部分を加工したPV作品」にあたるとして集計の対象外となってしまった。また『日刊VOCALOIDランキング』や『週刊ニコニコランキング』 *2は、この事件の影響でルール変更を余儀なくされた。
もう少し詳しく経緯を知りたい方は、以下のリンク先の記事に詳しく載っているので、そちらの方へどうぞ。
◎炉心融解 ユーザー削除&再うp - An Empty Box >> pikayan’s Diary
◎みっくみくなレイティアさん 炉心融解投稿者削除と再アップ問題
◎炉心融解削除予告についてのTwitter発言まとめその1 - kosyuの日記
◎炉心融解削除予告についてのTwitter発言まとめその2 - kosyuの日記
今回の事件を知る上で、明らかに「ニコニコ動画」そのものが抱えている問題が、少なくとも2つあるのではないか思う。
しかも厄介な事に、その2つの問題がいずれも簡単に解決できない、非常に重い問題になっている。
実はその「工作問題」自体、今に始まった事ではない
今回の「マイリスト数工作」問題ではないが、ニコニコ動画の「再生数工作」問題が少し前に、しかも2回起きていた。
◎早朝わずか1時間で10万pts.近い再生数工作? - An Empty Box >> pikayan’s Diary
◎【再発】早朝わずか1時間で10万pts.近い再生数工作 - An Empty Box >> pikayan’s Diary
この2回の「再生数工作」といい、今回の「マイリスト数工作」といい。こういう事件が頻繁に起きていたら本来の動画サイト、しかも「企業が運営する」動画サイトの社員やプログラマーは、確実に2、3人ほど首が飛んでいる。
しかし「ニコニコ動画」だからなのか、どうもそれを管理する経営者(特に夏野剛氏)*3が悪い意味で「のんびり」しすぎている。
いくら「動画の管理は自己責任」とはいえ、管理をする側の人間があまりにも無責任すぎやしないかと思うのだが。
まあこれだけ「自分が作成した動画」が荒らされたのだから、それこそ「YouTube」や「zoome」に自分の作品を移転してもいいんじゃないかと思う(今回冒頭に「Youtube」の動画を載せたのもそれが理由だ。*4)。
しかし「移転したらいいじゃん」と軽はずみで言っちゃいけない事も分かっている。なぜならそれが「ニコニコ動画」そのものが抱えるもう一つの問題の正体だからだ。
◎みっくみくなレイティアさん VOCALOID文化圏におけるzoomeの位置-zoomeは果たしてニコニコ動画の代わりになりえたのか-
人は人が集まるところのモノ、サービスを利用する。見せたいならば特に、である。
私が今後オリジナル曲を作りピアプロの動画完成報告スレッドに書くならば、まずはニコニコ動画のURLを記入するだろう。
ニコニコ動画運営に対する不満が無いわけではない。ただ、気軽に人が集まり動画を何回も見に来てくれるシステムが出来上がってしまっているのである。
ニコニコ動画に作品を投稿する理由というのは、たくさんの人に観て(聞いて)もらえるから・ボカロ作品発表のメインの場だから、というのは勿論あると思いますが、
「コメント機能により、感想がダイレクトに返ってくる」
これもニコニコで作品を発表する大きな理由の一つではないでしょうか。
マイリスト数が増えるのは勿論嬉しいけどコメントなどの感想が欲しい、とこぼしている方を何人か見てきましたし、そう思っている作者は他にもいらっしゃるのではないでしょうか。
投稿者の人たちにとって、コメントが少ないことは良いこととは決して言えないと思います。
今引用した2つの文に対する「ニコニコ動画」そのものの問題は実は共通している。
つまり「ニコニコ動画」そのものが、『コミュニケーションツール』として「あまりにも便利すぎている」からである。
これはどういう事かというと、動画の作成者は、動画の「再生数」や「マイリスト数」で自分の動画の「人気度」を知り、動画に流れている「コメント」で不特定多数の「参考」意見、および「ファン」としての意見を知るからである。
また動画を見る人は、その動画の「再生数」、「コメント数」、「マイリスト数」で自分や他人の「感想」を「共有」している。
動画の作成者とそれを見る視聴者、そこに『コミュニケーション』の形ができあがっている。
もっともそれが『動画作成者と視聴者の健全なコミュニケーション』として機能していればいいのだが、たまにそれを利用して動画を荒らす輩が現れる事もある。そうなると実に厄介だ。
たぶん最近のボカロユーザーは、今のニコニコ動画にお世辞にも「ニコニコ」できていないのではないかと思う。
特に今回の事件はニコニコの運営どころか、それ以上に『動画を見ている「ニコ厨」に裏切られた』という思いでいっぱいになっているのではないだろうか。
「これからボカロユーザーはどうするべきか」という事になると思うけれど、俺としては少なくとも他の動画サイト(「YouTube」とか「zoome」とか)を『開拓』し直す時期にきているのではないだろうかと思う。
今この「ニコニコ部」で記事を書いていたり、別のボカロサイトで、ニコニコにあるボカロの動画を引用している俺がこういう事を書くのも「違和感」を感じている。しかし「ニコニコ動画」でボカロユーザーやその動画を見ている人が「ニコニコ」できていないとなると、話は別だ。
さっき「動画サイトを『開拓』し直すべきだ」と書いたが、特に「zoome」はまだまだボカロユーザーが開拓できる「余地」が十分にあるのではないかと思うのだ*5。
幸い「zoome」はクリプトン社の『オフィシャルサイト』かあるので、思った以上に敷居が低く入れるのではないかと思う。「コメントを書くのに顕名の登録が必要じゃないか」と言う人もいるが、『動画が使えるTwitterかTumblr』と考えれば楽になると思う。
とにかく、動画は何も「ニコニコ動画」ばかりではない。「自分でYoutubeやzoomeを開拓してやろう」と思えば、結構何でもできるのではないだろうか。