2007-08-21
■ [idolm@ster]ニコニコ動画におけるアイマスMADの歴史メモ その2

この記事の続き。
3.「中の人重視」の時代(2007 03半ば~04末)
この時代を代表するのが
- とかち未来派シリーズ
- M@STER VERSIONシリーズ
の二つであり、亜美にやられたロリ派は未来派。ガチ派はM@STER VERSIONに走った感がある。
とかち未来派
「ゲリゲリの人」作成のテクノ風原曲REMIXのことである。妙な中毒性があるのが特徴。
(現在はコミュ音声を用いたブレイクビーツ風動画が作られている。)
著作権の問題からこの頃の動画は削除されており、*1Youtubeにわずかに動画が残っているだけである。
特に上の動画は台湾の方が再アップロードしたらしく、「十勝満歳!」と書かれており、国境を越えて愛されている動画だと実感できる。
M@STER VERSION
高音質・高画質の動画を追求した結果、いっそのこと「CDとして市販されたフルVer.の原曲」で動画を作ってしまおう!という流れから始まったシリーズ。「とかち未来派」はゲリゲリの人1人が作っていたのに対し、こちらは様々な職人が動画作成に参加していった。
代表的なものは以下の3つだろうか。
ニコニコ動画(RC) - MAD - アイドルマスター 美希&千早PV 「Relations m@sturbasion」
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター エージェント夜を往く M@STER VERSION 菊地真*2
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター 蒼い鳥 M@STER VERSION 如月千早*3
真のYoutube動画のみM@STER VERSIONが見当たらなかったので通常Ver.だがご了承をば。
「歌姫楽園」と「YOUR SONG」
この時期に出てきた動画に「歌姫楽園」シリーズがある。
これはアイマスレディオというラジオ番組の1コーナーで、リスナーからのリクエストで千早とあずさ(の声優さん)が歌うというもの。さらに”歌姫楽園CD”というものまで出ており、これらの音声を利用した良質MADもアップされていた。
(現在もシリーズ化されたまま、優秀な動画がupされ続けている)
ニコニコ動画(RC) - THE iDOLM@STER MAD 月下祭 アイドルマスター
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター にんげんっていいな あずさ・千早
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター ドリルでルンルン クルルンルンVer.2.1
また、YourSongという限定発売CDからの良質MADも存在し、広義に言えば「やよぴったん」や「亜美のラブソング」、「雪歩の津軽海峡冬景色」もこのYourSongから音声を取っているため、YourSongシリーズの一種と捉えることもできる。
代表的な動画は以下のようなものがある。
ニコニコ動画(RC) - 真・仮面舞踏会 アイドルマスター (Youtube動画はmaszushi氏のもの。)*4
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター YOURSONGより 天海春香 大スキ! PVバージョン
ちなみにこの時代の春香の良動画というのは非常に珍しく、ニコニコ動画内においては「無個性」と罵られていた冬の時代であり、「黒春香と白春香」という二面性を持って絶大な人気が出るのは5月の半ば辺りからである。
(ただし、「黒春香」というキャラクター付けはニコニコ動画内において付けられたものではなく、アーケード版(去年の7月ごろ)からすでにキャラ付けが行われていた。)
この時代について
とかち未来派やM@STER VERSIONのような原曲REMIXにしろ、歌姫楽園を用いたMADにしても「中の人」を重視したMADが多かった。
というのも、中の人が同じであれば動画の違和感は軽減するのでMADが作りやすく、良質のものが出来上がりやすいからだ。動画職人が職人が良質のMADをupするための知恵だったと言える。
4.本格派MADの夜明け(2007 04半ば~)
本格派MADの礎となった動画が二つある。
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター 萩原雪歩 「私は忍者♡」
これは四月の最初、えこPによりアップされた動画なのだが、見ての通り雪歩が三人いる。
誰が見ても普通にゲームプレイ録画して取れるような動画ではなく、最初はチートかと疑われたりもしたが、何度もハイレベルな動画をえこPがupするため、「これは純粋な技術により作られたものなのだ」と皆納得することとなる。
そして、ここで意識されるようになるのが”切り抜き”という技術である。
衣装の異なる三人のキャラを一つの動画で動かすには、少なくとも三つの動画を”同時に”合成し、かつ違和感なく動かさなくてはいけない*5。つまり、えこP以外の動画職人達は「途中でお色直し」「複数人で衣装が異なる」という演出を通じて、”切り抜き”を意識することとなる。
この動画の後、4月半ばにアップされたのが伝説の「エレクトロ・ワールド」である。
ニコニコ動画(RC) - THE iDOLM@STER 「エレクトロ・ワールド」 by 雪歩・伊織・やよい
画質・音質・演出面・シンクロ率ともに非常に高い完成度にある動画なのだが、特筆すべきは使われている曲がアイマスと全く関係が無いという点。これに尽きる。
今までの良作動画は「YourSong」シリーズにしても「M@STER ARTIST」シリーズにしても、「中の人」が歌っていて「アイマスの動画」に「アイマスの曲」を合わせる、という構図だった。しかし、「エレクトロ・ワールド」は「アイマスの動画」に「Perfumeの曲」という全く異質なものを組み合わせた上でここまで高いマッチングを実現したのが偉大なのだ。
また、演出面においても、
- perfumeの無機質なイメージがアイマスキャラと非常に親和性が高かった(キャラと曲のマッチング意識)
- 元動画の歌詞を完全に消し、「エレクトロ・ワールド」の歌詞を違和感無く入れる
- セピア調のシーンを入れるなどの演出面での積極性
- 画像の荒さが「物悲しさ」の演出となり、功を奏した
など、「アイマスの曲でない」という点を除いても頭一つ分抜けた動画であったのは確かで、えこPの「私は忍者」が”技術力”の動画であるのに対し、「エレクトロ・ワールド」は”演出”の動画であると捉えると、MADの歴史の中にきれいな対象性が見えてくる。
5月に入ると、この二つの動画を意識した良質MADがどんどんupされることになる。
5.「THE IDOLM@STER」を超えたアイマスMAD
[今夜書く][たぶん]

ch1248さんの文、興味深く拝見させていただきました。
同じアイマスMADというお題であっても、
ch1248さんは
「素人から見たアイマスMADの技術進化」
私があのページで最終的に目指しているところは
「アイマスMADコミュニティの発展(と衰退)、そしてWeb全体への影響」
同じ題材であっても書く人によって、まとめ方は変わってくるものです。
それが何故かと言えば、人それぞれ思い入れとか得意分野とかバックボーンが違ってくるからだと思います。
ならば他人が書いたものと題材は同じであっても、自分なりにまとめて書くことに意味はあるということ。
違う人が書けばそこに新たな発見があるものなのです。私はそう思います。
Sakurabaさんは全体を俯瞰して、言うなれば「外側の視点」から書いている気がしたので、じゃあ俺は「内側の視点」から書こうかな、と。最初は自分も全体を俯瞰するカタチで書こうかと思ってたんですが、先に完成度の高いものを書かれてて出鼻がくじかれて凹んだというかw
誰も「アイマスMADの歴史」を補完する人がいなかったので焦ってる部分がありましたが、Sakurabaさんが書いてくれたことで安心できた部分はありますね。
俺は俺で書きたいことを書こうと思います。