2007-10-12
■ [idolm@ster]アイマスMADの頂点を担うP達

こういう紹介の仕方もアレなのかもしれないが、独断と偏見でアイマスMADの最高峰にいる動画作成者6人を紹介したいと思う。
まずはこの人から、
わかむらP
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター Perfume パーフェクトスター・パーフェクトスタイル PV風
エフェクト系Pの頂点。通称:「抜き抜き先生」
元々コードギアスのMADを作っていた方だったのだが、今年の6月後半辺りからアイマスMAD作成に着手。
”抜き”の技術とエフェクトをふんだんに用いつつも、一切ムダが無く、各場面においてセンスの溢れたMADを作る。
絵も描ける*1ので口パクの調整などもでき、さらに自分で音楽REMIXしたMADを作ったりと編曲センスまで有する。間違いなくプロである。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター 千早 - 水樹奈々 Inside of mind PV風
この作品も曲が映像の雰囲気と合うように微妙に調整してあり、「横倒し」という今まで誰もやったことの無かった斬新な表現方法を用いている。先程の「パーフェクトスター」においても、「回転する三人が目をつぶったまま歌いだす」という斬新なエフェクトを用いているが、わかむらPはアイマスキャラをエフェクト化する、すなわちアイマスキャラを素材としてエフェクトを作り出ししているのが大きな特徴である。その結果、エフェクトそのものとアイマスキャラの間の垣根が消え、エフェクトを多用した際の「くどさ」も感じなくなり、実に自然なMADに仕上がるのだ。
これは”抜き”の技術を惜しむことなく使えることができ、かつ絵心が無いと真似できるものではない。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター×らき☆すた - 雪歩 寝・逃・げでリセット PV風
「らき☆すた」のつかさのキャラソングである「寝・逃・げでリセット」を雪歩で再現したものであるが、これもハマり具合がすごい。雪歩にこの歌を当てた点も秀逸なのだが、上の画像の髪がゆれているシーンを「屋上で風がふいていること」を表現するために使うというセンスもすごい。
どうもわかむらPは雪歩がお気に入りらしく、最近では雪歩MAの販促動画も作ったりもしている。
毎回質の高いMADで新しいことをやってくれるわかむらPがいる限り、しばらくはアイマスMAD界隈で退屈することは無さそうだ。
えこP
ニコニコ動画(RC) - アイドルマスター ロケットガール 高槻やよい 「GO MY WAY!!」
毎回信じられないような動画をupしてくる。例えば上のロケットガールなどは”抜き”の技術が使われているがその量がハンパではない。
”抜き”は、使いたいシーンを1フレームずつ切り抜いてパラパラマンガのように扱うため、静止画として用いるならともかく、動画であれば数秒間のシーンでも相当な労力が必要だ。(パラパラ漫画で100枚描いた絵が自然に動くスピードでめくっていけば、何秒持つか考えて欲しい)にも関わらず、この作品は120秒間もの長い時間ブッ続けで”抜き”が使われており、背景で使われているCGなどの映像も自作である。
で、本題に戻ります。マスクはAE上で、やよいの輪郭をパスで手作業で1フレーム1フレーム抜いてます。全部で約3700フレーム程ありました。
これはかなりしんどかったですね。毎度そうなんですが、これも甘く見てました。かなり。
特に上のシーンなどはやよいの足が水面を踏む度に波紋がゆれていたりする。そこまで細かい作りこみがえこP作品のウリとも言える。
ところで話は変わるのだが、ニコニコ動画の左上のアイコンでこういうものを見たことはないだろうか。画面左上の「ニコニコ動画(RC2)」と書いてある左側にあるアレである。
実はこのアイマス型アイコン、運営側に頼まれてえこPが作ったもの*2えこPが運営側に働きかけて作ったものだったりする。
「えこP特製GIFアニメ」公開中であります!
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター M@STER PUNKS!
こちらは”抜き”の技術を使いつつ、「人間的な動きを追求したアイマスキャラ」を敢えて音楽に合わせて機械的な動きにし、それにも関わらず不自然さを感じさせないという秀逸に作りになっている。
詳しくはこちらのエントリの最後、「踵鳴る」の紹介部分を見ていただきたい。
⇒アイマスMADがまた1つ、壁を越えてきた - 花見川@ニコニコ部 - ニコニコ部
ところで、えこPはアイマスMADの作り方というか、構造そのものに対する既成概念を打ち壊すようなMADを作ってくる部分がある。
わかむらPも「毎回新しいことをやってくる」と言われるが、それは動画の見せ方や技術的な新しさであり、基本的なスタンスは一貫している。それに対してえこPは思想的、と言っては大袈裟かもしれないが、MADの構造そのものを毎回変えてくるのでスタンスが一貫していない。逆を言えば、「スタンスを一貫させない」というスタンスで一貫していると言える。*3
11月にはえこPの新作がupされるようだ。次はどんな驚きがあるのか楽しみである。
RidgerP
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター 春香覚醒カタルシス(ALI PROJECT)
総合演出系Pの頂点。
エフェクトらしいエフェクトはあまり用いておらず、メインは色調補正とダンスシンクロ、そしてカメラワークが見所。
わかむらPが「音楽PV」であるとするなら、RidgerPは「映画の予告編」である。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター Destiny -太陽のあずさ- 永遠の20歳
この作品など、絶妙なカメラワーク、さらには「ここぞ!」という時の衣装変更などセンスに溢れた作品であり、その壮大さに圧倒される。思わずこの後に映画本編が始まってしまうんじゃないか?と錯覚してしまうほどだ。
ニコニコ動画(RC2) -アイドルマスター 刻天の絆 -律子オーディション-
RidgerPのウリは各要素を主張させ過ぎないことにあるように思える。
元々シンクロ系の作品を作っていたPであり、ダンスシンクロは相当なものがあるとはいえ決して前に出さず、全体の整合性を考えてシーンの切り替えを容赦無く行っている。
RidgerPは動画そのものの世界観やストーリー性を重視している部分があり、表に出しているのはそちらの方で、ダンスシンクロや画質・音質、エフェクト、カメラワークなどはあまり主張させず、全て裏方に回しているのだ。そして心打たれ、後からよくよく見てみると細部のクオリティの高さに気付き、二重に驚かされるという構造がある。
すごいシンクロだと思った次には、瞬時に場面が切り替わりエフェクトが入ったと思えば、カメラワークで魅せてくる。
それらが最終的にストーリー及び世界観を構築しているという完成されたMADを作るのがRidgerPなのだ。
しーなP
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター キラメキラリ リハーサルver やよい
シンクロ系Pの頂点。
RidgerPやわかむらPとは異なり、純粋にダンスと曲の調和で魅せてくる動画が多い。
確かに演出効果やエフェクトを使う場合もあるが、それも「動き」を強調するための1手段に過ぎず、あくまでキャラの動きがメイン。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター アイドル達は大変なものを踊っていきました
「調和された動き」というのは誰が見ても気持ちが良いものであるし、予備知識が無くてもその良さがわかるもの。
「シンクロしてる!」⇒「楽しい!!!」。それ以上何を求めるのか、という話である。
そして、その”楽しさ”は動画への参加を呼びかける。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター KOTOKO Princess Bride!
しーなPの動画は感動よりも”楽しさ”が先立つ。楽しさは皆で参加することでより楽しくなる。
だからこそ、上のスクリーンショットのようにコメントアート職人も集まる。コメントもどんどん増える。
余談だが、初めてアイマスMADを見に来たらしい人間が上記のPrincess Brideを見て、あまりに自然過ぎてMADでは無いと思ったらしく、
「すごいと聞いたが、プログラム通りにキャラが動いてるだけじゃないか」というコメントを残していったことがあった。
今後もしーなPは良い意味でどんどん人を騙していって欲しいものだな、と思う。
orgoneP
ニコニコ動画(RC2) - iDOLM@STER&JB 『TURN ME LOOSE, I'M Dr.FEELGOOD』
アイマスMADに初めて「cool」という感覚を持ち込んできたP。
ダンスシンクロを前面に出している点でしーなPに近い部分があるとは言えるが、曲の雰囲気を最も重視している点で決定的に異なる。また、他のPとは一線を画すセンスを持ち合わせている。*4
現にこの「TURN ME LOOSE, I'M Dr.FEELGOOD」はアイマスキャラを完全なバックダンサー化させ、歌っているのはジェームズ・ブラウンという「歌はアイマスキャラが歌うもの」なる既成概念を破壊した画期的な作品である。
ニコニコ動画(RC2) - iDOLM@STER feat. AZUSA 『LIFE』
このように”抜き”の技術も用いたり、実写素材を入れてみたり、様々なことをやるが、それぞれが曲の雰囲気を反映するための一手段である。
”総合的に”様々な要素を用いる意味ではRidgerPとも似ている所がある。
ニコニコ動画(RC2) - iDOLMASTER×FPM 301 『DANCE DANCE DANCE』
そしてこの中毒を引き起こすリズム感。
どうもorgonePはアイマスキャラを「ダンサー」もしくは「ダンスが出来るシンガー」と捉えている部分があり、決してアイドル扱いしていない。「彼女達を使って曲をどう表現するか?」ということを考えているように見える。
この独特のセンスはアイマスMAD全体に良い影響を確実に与えている。今後の作品にも目が離せない。
ナオキP
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター (MAD PV) ”Fallen Icons” 雪歩 伊織
総合演出系のPでスタイルとしてはRidgerPに近いが、RidgerPが曲に応じてその雰囲気を変えてくるのに対し、ナオキPは雰囲気は変えずに動画内の物語を変えてくる。
確かに、細部を見ながら音楽を噛み締めるように鑑賞していかないと解りにくい部分はあるかもしれないが、その神秘的な透明感のあるMADは麻薬のような危うい魅力を孕んでいて、その魅力を一旦理解してしまえば抜け出せなくなるだろう。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター (MAD PV) ”Summoning of the Muse” 雪歩 伊織
この凍りつくような空気。アイマスとは明らかに異なる雰囲気。初めてこの動画を見たときに感じたのは、従来のアイマスMADに感じるような「楽しさ」でも「すごさ」でも「かっこよさ」でもなく、「圧倒的な美しさ」であり、その大きさの前に鳥肌が立ち続けたものだ。
ニコニコ動画(RC2) - アイドルマスター (MAD PV) ”Heaven” 律子 雪歩 伊織
この動画は先ほど紹介した「Summoning of the Muse」の続編である。
これまでに「わかむらPは音楽PV」「RidgerPは映画の予告編」のように例えてきたが、同様にして例えるならナオキPは特殊効果を使ったミュージカルと言えるだろう。
決して口では多くを語らず、音楽と歌と身体の動きから物語が紡ぎだされる様は圧巻だ。
この美しい動画群から背後にある大きなものを読み取って欲しい。
あとがき
1人1人の紹介を結構色んなとこでやられてたりするので、頂点Pを一度に紹介、比較することで解り易くなる部分があるのではないかなと思い、こういうエントリを上げてみた。
誰もが認める頂点の4人(わかむらP、えこP、RidgerP、しーなP)+誰も真似できないセンスを持つ2人(orgoneP、ナオキP)を紹介してちょうど6人なのだけど、個人的には他にも入れたいP*5がいて迷ったりしたのだが、今回でP紹介が終わりというわけでもないので、また次の機会に紹介したい。
にしても、こう6人並べてみるとものすごい圧巻。(全員個性出まくってるというか)
そして、このエントリで、アイマスMAD界の懐の深さの片鱗を感じ取っていただけると幸いに思います。
ではまた次の機会に会いましょう。
追記
アイマスMADのPと言えば - なつみかん@ニコ部 - ニコニコ部
こうじさん(id:acqua_alta)が未来派先生と友Pの紹介を行ってくれたのでトラバ返し。






























で、ちょいと一つ修正ネタを。
えこPのニコニコ左上gifは、確かえこPが運営にアプローチをかけられたと記憶しておりますです。
では続き読んで気まーす。楽しいなあもうこういう企画たまらんウヘヘ。
P達にスポットを当てて比較するというのはとても興味深くて面白いですね。
ナオキPを取り上げてくれたのにはびっくり。これでもっと注目されるようになればいいなぁ。
あ、系統だてするなら未来派氏やwandaPなどのremix系も取り上げてくれると個人的に嬉しいです。
しかしアイマスMAD界って分析しだすと止まらないですよね(笑)
次回も楽しみにしています。
■カズマさん
いやはや喜んでいただいてこちらも嬉しいですよ。
ひろゆきも中々やるもんです。
■sethさん
おお、前はどうもです。
ナオキPに関しては洋楽メインに扱うPとしてはトップクラスかなと考えていたので、今回紹介することに。
>>あ、系統だてするなら未来派氏やwandaPなどのremix系も取り上げてくれると個人的に嬉しいです。
最終的には「アイマス動画系統樹」みたいなものを作りたいんですが、いささか難しいです。未来派先生は言うまでもなく、wandaPは「スタ→トスタ→」のREMIXでずいぶんお世話になったので、アイマスの音楽MADをメインに作ってるPを紹介するときは真っ先に紹介したいですね。
今はまずどうやってアイマスMADの懐の深さを伝えるか、だなあ・・・。
Pタグよりマイリストのせたら解説とかも付いていてわかりやすいのでは?
hunirakuniraさんのご指摘が正しく伝わっていない様なので補足です。
gifアニメのアプローチの件は「えこPから運営に」です、
詳しくはえこPブログの2007-09-07分後半にあります。
>>Pタグよりマイリストのせたら解説とかも付いていてわかりやすいのでは?
の件なんですが、実はわかむらPとえこPに関してはマイリストに載ってない関連動画があったりします。
とは言ってもマイリストの方が便利そうなので、他のPはマイリストに差し替えておきますか。
ども、たった今修正しました。
orgonePはそもそもマイリスト公開してないから、マイリストとタグ検索の混合だと記事に統一性が無くなるな・・・。やっぱ戻す。
■Amontrueさん
いやいや、意見もらえるのは嬉しいので、お気になさらず・・・。
■敷居さん
どもですw ナオキPはすごく実力があるのになかなか注目されないのが悲しいというか。ナオキPのようなスタイルは貴重なんですけどね・・・。
落ち込むよりもまず先に楽しんで、そして前向きに行きましょう!
あっちなネタが好きなネタ師かと思いきや高い技術を誇る謎の人。
ちんこうPは結構好きなんですが、個人ではなくて「常連Pの集合体」(2chで言えば「名無しさん」、ふたばで言えば「としあき」)にあたる存在なので、今回は取り上げませんでした。
機会があればちんこうPも取り上げたいと言えば取り上げたいんですが、敷居さんが情報集めてるっぽいので、そっちにお任せかな?
分析、解説とも染みいります。P毎に系統わけするとよりそれがはっきりしました。
ch1248様主観は今の私の感覚にすごくマッチしています。今後ともがんばってください。
Nominさんのように楽しんでくれる方がいることで、記事を作る張り合いが出ますね。
まだまだ未熟者ですが、より完成度の高いものを作れるよう上を目指していきたいと思います。
手描きのエフェクトや、男声→女声変換や、ミラクルガール冒頭の既存のダンスを変形して新しい絵を動画で作る、とかそれまで誰もアイマスMADでやっていないことをやってきているのに、それを「どうだ」と前面にだしては見せ付けない姿勢とか。
最新作では自ら楽器を演奏していながらも、演奏をメインにせず映画予告編風に高水準にまとめた動画を作ってそちらをメインにしていたり、という控えめなところが、あくまで主役はPではなく765プロのアイドルたちなのだという主張をしている気がします。
ところで、アイマスMADの隆盛は、全体を牽引しているトップレベルのPたちの力だけではなく、前述のcocoonPのような中堅Pが非常にたくさんいる、というところにあると思うんですよ。
ニコには「少数の人がすごい」というだけで終わっているジャンルも結構ありますが、アイマスがそうはならなかったのはそのあたりに理由があるのではないかな、と。
実はATollPがcocoonPに技術指導受けてた話もあるぐらいで、かなりの実力派Pなんですけど、アイマスMADをけっこうチェックしてる人でも知らなかったりして、とても勿体無いというか。
>>ところで、アイマスMADの隆盛は、全体を牽引しているトップレベルのPたちの力だけではなく、前述のcocoonPのような中堅Pが非常にたくさんいる、というところにあると思うんですよ。
まさに同感です。中堅の、しかもそれぞれ個性の強いPがとても多い。裾野がすごく広いんですよね。
オンナスキーPのように多芸多才な人もいれば、yotaPのようにダンスシンクロを追及してる人もいるし、かてぃーPのようにSound Horizonの動画しか作らない人もいれば、最東みんくPのように特定のキャラクターの動画だけを上げ続けてる人もいる。
で、正統派PVタイプのMADを上げ続けてる人も相当な人数がいて、最近だと時雨P、サーディP、ディープP、影山Pあたりが目立ってる印象でしょうか。
今回のように、頂点を紹介するのは結構ラクなんですか、次の「実力派P」をどうやって紹介するかがアイマスMAD紹介サイトの腕の見せどころ、ってやつですかね。(色々と構想を練っております。)